生活習慣病とは、昔は成人病と言う名称で呼ばれていた病気を総称した呼び方です。
がん、脳卒中、心臓病、そして糖尿病や高血圧、肥満や脂質異常症などがこれに該当します。
成人病で呼ばれていた頃には、こうした病気にかかる一番の原因は加齢だと言われていました。
成人病で使用されている成人とは、20歳のことを意味しているのではなく、働き盛りにある
年齢層のことを意味しています。
つまりそれくらいの年齢になれば多かれ少なかれ体にダメージが発生して、それが原因となって
これらの病気が
引き起こされやすくなるという認識が一般的だったという具合です。
しかしその後、様々な調査によって、勿論、年齢を重ねることも関係しているが、
それ以上にその人が送ってきた生活習慣の積み重ねが大きく関係していると言うことが明らかに
なったことから、生活習慣病と言う名称に変更されたという経緯があります。
ここで言う生活習慣とは、食事内容を含んだ食生活、睡眠時間、運動習慣、ストレスとの関係、
また喫煙、飲酒の習慣などが挙げられます。
生活習慣病の実態として、まずはこれにかかる人、またその疑いが持たれる人の数は、
年々、増加傾向にあると言うことが挙げられます。
特に糖尿病に関しては、この傾向が顕著に出ています。
その原因としては、日本人の食生活が欧米化してきたこと、また交通インフラの整備によって
運動をする習慣が激減したこと、また仕事や家事などに忙しい人が多く、定期的に運動をする
習慣を持つことが少なくなったことなどが挙げられています。
それからもうひとつ、生活習慣病の実態として挙げられているのが、それにかかる人、あるいは
その疑いが持たれる人の年齢層が低年齢化してきている点です。
がん、脳卒中、心臓病に関してはそれほどでもないのですが、糖尿病、高血圧、肥満に関しては
大人だけではなく子どもでもかかることが多くなってきている流れがあります。
これもやはり幼いころから脂質や糖質の多い食事を食べることが多いこと、またゲーム機の発展
などによって外で遊ぶ機会が激減していることなどが原因とされています。
よって生活習慣病とは、日本人の誰しもにとって決して無関係ではない病気だと言うことができます。
生活習慣病の恐怖は、このように、生活習慣の乱れがきっかけとなって老若男女問わず、誰しもがかかり得ると言う点にあると言えます。
更にひとつの生活習慣病が別の生活習慣病を引き起こすリスクになり得ると言うのも、生活習慣病の恐怖です。
たとえば糖質の多い食生活を続けていると、血糖値が上がりやすくなります。
そのため糖尿病が引き起こされるリスクが高くなるのですが、それと同時、血糖値を下げるためにインスリンが多く分泌されやすくもなります。
インスリンには血糖値をコントロールする代わりに、脂肪を体内に蓄える作用があります。
そのため、この作用によって肥満にもなりやすくなります。更に血糖値が高くなると、血行不良が起こりやすくなり、血管に対するダメージも大きくなりやすくなります。
すると血管が傷つく動脈硬化が引き起こされやすくなり、血圧もどうしても高くなりやすくなってしまいます。
動脈硬化や高血圧が進行すると、些細なことで脳や心臓の血管が破れてしまったり、詰まってしまったりして、それは脳卒中や心臓病の引き金にもなり得ます。
また生活習慣病だけではなく、それ以外の病気の発症リスクになり得ることもあるという点も、生活習慣病の恐ろしいところです。
たとえば糖尿病は進行すると、全身の神経障害を引き起こします。
その結果、怪我した部分の壊死に気がつかず、その部分を切断しなければならないという事態になることもあります。
また高血圧は、体内の水分と塩分のバランスを整える役割を担い、老廃物の排出を担っている腎臓に甚大なダメージを与えることから、腎臓病の引き金にもなり得る疾患です。
脳卒中の場合、迅速な対応が遅れるとダメージを負った脳の部位によって運動や言語、認知と言った領域に対する深刻な後遺症が発生することもあります。
ひとつの生活習慣病が発生すれば、まるでドミノ倒しのように連続して次々と生活習慣病やそれ以外の病気が引き起こされると言うのは、非常に恐ろしいことです。
またこのことは、個人にとっては勿論のこと、社会全体にとっても医療費の増大、労働人口の減少にもつながることであるため、まさに生活習慣病への対策は国を挙げて取り組むべきことだと言えます。
生活習慣病とは、先にも述べたとおり、生活習慣の積み重ねが物を言う病気です。
このことは、一部の生活習慣病の治療に際して、運動や食生活の改善が取り入れられていることからも理解できることです。
ですから個人においても無理のない範囲で生活習慣の見直しをはかることが必要です。
たとえば暴飲暴食は避けるとか、できるだけ生活の中でこまめに体を動かす習慣を持つ、飲酒は適量にして、喫煙は止めるようにすることなどが挙げられます。
また大人は、そうした工夫を子どもに対して教えることも必要なことです。自分や周囲の人の健康に対して高い意識を持つことが生活習慣病の予防には必要不可欠です。